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第3章 惑星は如何にして形成されたか

   

3.1 惑星が公転軌道で星間物質を集積するプロセス

 現在の太陽系では太陽の質量が99.86%であり、惑星の総量が太陽系の0.14%程度です。大部分の太陽系の物質は太陽中心の重力によって太陽に集まられましたが、残りの0.14 %の物質が太陽中心の重力場の公転軌道を周回しています。 同じ公転軌道上にある物質の周回速度は周回する物質の質量には殆ど依存しないので様々なサイズの物質が同じ公転軌道を回り続けます。そこで、同じ速度で周回している固体物質は静かに接触します。ゆっくり接触した固体と固体の接触点ではクーロン力の相互作用により付着し塊になります。その大きくなった塊も同じ公転軌道を周回します。
そこで、原始太陽系の星間物質の0.14%程度の宇宙塵がそれぞれの公転軌道上で塊になり、微惑星になり、小惑星になり、惑星になりました。従って、太陽系の星間物質の分布の特性を現在の公転している惑星が持っています。

3.2 巨大ガス惑星群が示す星間物質の分布

原始の星間物質の密度が太陽からの距離に対してどのような分布であったかの関係を太陽系の外惑星の質量(m planet)と位置(LSun-planet)とから推定します。 無限遠点の値を0にして、惑星が太陽から現在の位置までの距離に移動した際に太陽の重力によるポテンシャルの変化を惑星が持つ重力ポテンシャルエネルギーとします。 ニュートンの力学によれば 惑星の重力ポテンシャルエネルギーは重心からの距離(LSun-planet)に反比例します。 それは各点の重力ポテンシャルです。惑星がその周辺地域の星間物質を集めて得たポテンシャルエネルギーの値(Φplanet)は(4)式に示すように惑星のm planetに比例し、 LSun-planetに反比例します。図7.では、太陽系の各惑星について(m planet/LSun-planet)の値の常用対数を、太陽からの距離を横軸にして示します。

     Φplanet=-mplanet・(G・MSun)/(LSun-planet)=-G・MSun・(mplanet/LSun-planet) (4)

 図7.に太陽系の惑星が集めた重力ポテンシャルを示します。外惑星の木星、土星、天王星に関しては太陽からの距離に対して(mplanet/LSun-planet)の値が指数関数的に減少しています。 これは、原始星間物質が太陽からの距離に対して密度分布が指数関数的に分布する状態で巨大ガス惑星が成長したことを示しています。 なお、木星は地球の約2万倍 の強い磁場を持っており、太陽風のイオンを磁束に巻き付けて惑星内に取り込むので質量が増加しています。
    
                                     図7.惑星が持つ太陽の重力ポテンシャル.

 なお、太陽から40億km以上の遠方海王星の(m/L)の値は指数関数のルールが成り立ちません。他方、地球型岩石惑星は太陽に接近するので岩石惑星では指数関数のルールが成り立ちません。(last modified Feb/28, 2023)

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